序章 きっかけ
衝撃的な出会いだった。
本屋で彷徨い、ふと目にとまったのが
『境界融合 経営戦略のパラダイム革新』
これまで独学で経営戦略系の本は読んできたが、
「なんだ?境界融合って!?」
と、手に取ったのが私の興味の始まりだ。
大量生産に代表される企業主導型モデルが、
消費者主導型モデルに転換していく。
それは、企業側が持っていた情報優位が、
ITによって消費者側に移り
製品価値を判断する情報創造の主体が消費者に逆転する。
そんなことは多くの本が書いてあり学んでいた。
この本は、その先を示していたのだ。
突然現れたワードが NPO
全くわからなかった。
原田・古賀(2002)による生活者価値分類から紐解きたい。
彼らによると
①生活者の行動が自己解決と他社解決の組み合わせで構成され、これらがもたらす「解決価値」により総体的に生活のレベルが向上していく。
➁高度に発展したネットワーク社会の形成により、知識、安心、信頼、感情などを交換する「関係価値」を強く求めるようになる。
③成熟した社会や人生における閉塞感への反動が、社会改革への参画や自己実現による「創発価値」の期待を高める。
と述べている。①と➁は先ほど述べたように、わかる。③はなんとなくわかるレベルである。
気になったのが、このことがどう「経営戦略」に落とし込まれるのかだ。
彼らの示す「原理融合の経営モデル」の図をみてみよう。
創発価値型の経営モデルは、解決価値と関係価値の経営モデルの中庸を目指したモデルである。顧客と企業の境界線の中間に位置することで、創発的な効果を目指す経営スタイルとなる。そして、これこそが第3原理のマネジメントであり、それを実行できる有効な組織体がNPOである(原田・古賀2002)
ここがNPOのポジショニングだと述べられている。
NPOってボランティアグループなのではないか?
当時の私はそうとしか思えていなかった。
後に私はこの指摘を否定することとなるが、
たちまちにこの原田保氏に興味を持ち、
調べてみるとある社会人大学院で教鞭をとられていること、
もと西武百貨店で社長室にあったり、
一世を風靡したPARCO立ち上げに参画していたことなどがわかった(本人談)。
そこで私は彼に学ぶべき、社会人大学院に入ったのである。
(実はあと一人の先生にも教えを請いたいこともあった)
つづく