第4回 予兆情報とは?

こんにちは、CDI杉本です。

前回は、『未来を見つけるアンテナの張り方』でした。

毎日コツコツ気になった記事などをクリッピングしよう

という、なんとも地味な内容でした。

 

今回は、もう一歩踏み込んで

クリッピングする情報は『予兆情報』だろうか?

というお話しです。



 

「予兆」というと、よく地震の前ぶれとかに使いますよね。

「この揺れは地震の予兆じゃない?」など。

揺れを気づかない人もいます。地震なんてこないと思う人もいます。

時間が経つとそんな揺れを忘れてしまうことも多いです。

忘れた頃に突然地震がやってきた時は、

「やっぱりあの時の揺れは、この地震の予兆だったんだ」

となります。

 

 

そうなのです!

この気づかなかったり、気づいても何にも感じなかったり、

忘れてしまうようなこの些細なこと、

これが予兆情報です。

 

マーケティングを記号論や認知科学からアプローチした星野克美氏は

以下のように述べています。

(「流行予知科学 未来を推測する認知科学マーケティングとは」PHP1991より)

 


一般的に未来の予知とは、未来に現れる現象そのものを事前に認知することであると理解されている。しかし、ここで考える未来予知のメカニズムとは、まず未来に拡大するであろうと思われる隠された「意味的世界」を認知し、そのあとでそのような意味を担った事象がやがて立ち現れるであろうと考えるものである。


 


たとえわずかであろうとも、徴候としての有微記号(※筆者のいう予兆情報)から認知された意味的世界は、その広がりの度合いや強さや、強弱という点を度外視していえば、すでに人間の世界に厳然として存在するものである。(中略)したがって、未来予知の究極の原理とは、わずかな微徴としての有微記号(※予兆情報)から根源的な深層的な意味を認知することに尽きるのである。


 

誤解を恐れず単純化して説明すると、

「気になった些細なことをクリッピングしましょう」

とお話ししましたが、実はあなたが気になったこと(=予兆情報)には

意味があるはずで、その意味自体が重要なのです。

あなたが見つけた予兆情報は、未来に形を変えて大きく発現するかもしれない。

その発現したもの(こと)の深層的な意味はあなたが見つけた予兆情報

と繋がっている。と解釈できます。

 

 

たとえば、昨年からのコロナ禍ということもあり、キャンプが人気ですが、

キャンピングカーや車中泊といったことも人気になっています。

 

遡ってみると2005年にはすでにキャンピングカーが人気という記事が出ていました。

 

当時、わたくしはリタイアを迎える団塊世代が今後どのような暮らしをしていくのかを研究していました。この記事に登場する50~60代は、団塊世代の前の世代の人たちです。彼らが実は先達なのです。

 

この記事の頃はまだ発現はしていましたが、マーケット的には

まだ予兆情報のレベルです。

この裏にある深層的な意味を考えるわけです。

 

夫婦水入らずに暮らしたいのか、都会を離れたいのか、冒険したいのか、

などなど。

ならば、「こういうサービスあり得るよね」「こんな開発しておこう」と

妄想していくのです。

そして、似たような予兆情報を見つけた時は、

「ほらっ、ここにも出てる(発現してる)」

と未来が現実に近づくほど、納得感がでてくるのです。

それが現実となって納得感100%になってから動き出しても、

もう遅いというわけです。

 

 

あなたの感性に引っ掛かった、或いは見つけた予兆情報の裏にある

深層的意味を考えてみましょう。でした。

 

 

さて、

次回は第5回「エビデンスってなんだよ!!」

をお届けします。

 

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第3回 未来を見つけるアンテナの張り方

 

こんにちは、CDI杉本です。

前回は、

バックキャスティングとフォアキャスティングのお話しをしました。

但し、いずれにしても“あるべき姿”の描き方を注意しないと

あらぬ方向に行ってしまうことになりますよ、とお伝えしました。



 

未来を見つける見当の要素として

STEEP をご紹介しました(前記事参照下さい)。

 

今回(第3回)は、

STEEPを頭のどこかに意識しながら、

・どのように未来を探っていくのか

をお話しします。

 

そして次回(4回)は続きで

・予兆情報とは?

をお話しします。

 

 

・どのように探っていくのか

さて、いきなり「ハイ、見つけていきましょう!」

と言われても、(・・? となりますよね。

 

まずは、今あなたの置かれている業界や事業は何でしょうか?

あなたが描かないといけない未来はどちらの方向ですか?

それによって、探る未来のある程度の方向(ベクトル)が決まり

初めから360度の未来を見渡さなくてよくなります。

(勿論、異種業への参入の場合は別です)

慣れたらこれを徐々に広げていきます。

 

ちなみにわたくしの場合、専門領域のひとつは住宅分野ですから、

住宅そのもの、スマート系、デザイン等はおさえて

ほかには生活スタイル(トレンド)、政治、自動車、ロボット、ロジスティクス

環境、それからテック系はザザザ~ッと見ます。

あっ、探すというより眺めるに近い見る、ですね。

 

住宅なのに自動車?と思われた方もいらっしゃると思いますが、

実は住宅と車って関係性があるのです。余談なのでまたの機会に。

 

さて、どこを見ているのか?

わたしの場合、やはりネットです。

「なんだー、やっぱりネットなんだー」

と思われたかもしれませんが、その通りです。

新聞などは基本的に「今」を詳しく解説していますので

わたくしの場合は調査対象外です。

 

わたしの場合の見る先、探す先は、

業界系のサイトのほか、

すぐ流されてしまうような小さな記事、

「えーっ、そうなんだ!」的なブログやツイート

「こんなのあったらいいね!」なデザインや写真

「これは新しい暮らし方では?」まだ超少数派の生活スタイル・・・

 

これらを、Pinterestにピンするようにクリッピングしていくのです。

わたくしの場合は、Facebookにリンクしていきます。

ほんとはコメント付けて保存した方がよいのでしょうが、

大体忙しい合間に見ていたり、

コメントが思いつかない位まだ漠としていたりなので

とりあえずクリッピングです。

 

「そんなことかい?」ですが、

毎日毎日やっていると溜まったものが役に立つのです!

 

突然、クライアントから「何かネタない?」のご連絡が(^^)v

その時ほじくりだすのが、このクリッピングしたネタ帳です。

このネタたちをどう組み立ててプレゼンしたら、

上場企業の執行役員が主催するワークショップを

半年間お手伝いさせて頂けることになったのか

このお話しはまた。

 

今回は、期待させてしまったわりに

「そんなことか・・・」的な終わり方ですが、

大事なことは、

STEEPを頭の片隅に置きつつ、

自分の分野でのネタを毎日貯めこむ地味なことを続けることです。

ある意味試練かもしれませんが、

未来に続く城の土台づくりだと思ってください。

 

 

では、次回は第4回「予兆情報とは?」です。

2つのあるべき姿?とそれを探る要素

こんにちは、CDI杉本です。

前回は中期経営計画書等を作成する際に

〇〇年後の”あるべき姿”って、どう描くの?

という問題提起をしました。



 

今回は、「2つのあるべき姿」と「それを探る要素」

について書きます。

 

 

未来の描き方には、2つあると言われています。

一つが、「フォアキャスティング」で現在を起点に描く未来

二つめが、「バックキャスティング」で未来を起点に描くものです。

 

上記の図表をみてください。

大切なのは、赤文字下線で書いてあること

つまり、今は

「複雑で不確実な未来」にいるのか

「安定的で確率の高い未来」にいるのか

です。

 

次に、この未来を探るための要素として

よく PEST分析 を使おう、と言われていますが

わたくしが教わったのは STEEP分析 です。

内容はほぼ同じですが、

現在社会において問題とされている 「環境」 を

あえてSから外に出して、きちんと考えていくものです。

※注記:STEEP分析は、知識経営の紺野登氏に教わったものです。

次回は、このSTEEPのモトネタになるアンテナの話をしたいと思います。

 

事業計画書の”あるべき姿”って何?
Illustration of business people

こんにちは、CDI杉本@事業企画マンの味方です。

ホームページをリニューアルして、Twitterの新アカウントを作ったばかりですw

ゆっくり、だけどしっかりお伝えしていければと思います。



 

経営企画や事業企画、あるいは商品企画の担当者が

よく書かれることば ”あるべき姿”

現状と未来の”あるべき姿”とのギャップをどう埋めるか?

これこれこういうロードマップで”あるべき姿”にしていきましょう!

というのがもっぱらですね。

 

ところがこの”あるべき姿”というのがくせ者なのです。

”あるべき姿”と言っているのに、果たしてしっかり描けているでしょうか?

単なる理想を書いてはいませんか?

 

中期経営(事業)企画や、IRなどでの『ロード20✖✖年』など

発表されている企業は多いですが、

その策定作業以前、つまり日常から”あるべき姿”を描くための

アンテナを立てておかねばならないのです。

 

わたくしは常日頃より妄想?のためにアンテナを張ってます。

ここでは、まずわたくしのアンテナを皆さんに共有しながら

シナリオ・プランニングを一緒に学んでいきたいと思います。

 

気になりましたら、お気軽にフォローしてください。